香港税務局に所属する現地審査・調査課は現地審査・調査作業を担当し、脱税行為及び租税回避の防止を取り組んでいます。

「現地審査」とは、税務局のスタッフが現地調査を行い、納税者の会計記録をチェックし、納税者の申告した利益及び提出した書類が正しいか否かを確認することです。

「税務調査」とは、脱税の疑いのある事件を徹底的に調査することです。通常、調査対象期間は調査開始日前の6課税年度間です。詐欺又は故意の脱税事件の場合、調査対象期間は調査開始日前の10課税年度間に延長されます。

香港税務局は現地審査・調査が主に法規制の違反が明らかな分野に集中し、案件を選択するための基準がありません。税務局は「査定後確認」を採用し、コンピューター・システムを通じて適した納税申告書を選択し、自動的に税務を査定した後、案件を選択して査定後の審査・調査を行います。また、案件をランダムに選択し、納税者が自主的に税務要件を遵守するように促します。以下の違法行為の兆候を特定した場合、税務局は現地審査・調査を直ちに行う可能性があります。
（1） 監査人が監査報告書において法人の事業帳簿に対して限定付適正意見を表明したこと。
（2） 様々な要因（事業の性質、事業所、顧客の種類を含む）に基づき、法人の売上高又は利益率が不当に低いと判断したこと。
（3） 納税申告書を連続して提出しなかった、又は提出が遅延すること。
（4） 事業記録を適当に保存しなかったこと。
（5） 税務局の要求に応じて重要な書類を提出しなかったこと。

さらに、審査・調査結果により、ある業界で違法行為が広く一般に存在していることが判明した場合、現地審査・調査課はその業界に対して重点的に現地審査・調査を行います。

企業は現地審査・調査に対応するために、多くの時間及び人的資源がかかりますので、違法行為の兆候の発生を避けるために企業の会計書類を適当に保存するようにご注意ください。

データソース：香港税務署ウェブサイト
-  https://www.ird.gov.hk/dar/2007-08/sc/chapter5/content.htm
-  https://www.ird.gov.hk/chs/pdf/dipn11.pdf