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中国有限責任会社の株主優先買取権の行使

株主優先買取権は、株主間の信頼関係を維持するために、有限責任会社の“人合性”の特徴によって設定されます。その直接法的根拠は『中華人民共和国会社法』第七十一条及び第七十二条です、即ち、会社定款に別途取り決めない限り、株主は株主以外の者に持分を譲渡する場合に、その持分譲渡事項を書面によりその他の株主に通知し、その同意を求めなければならず、株主の同意を得た譲渡持分については、同等の条件において、その他の株主が優先買取権を有します。人法院が法律に定める強制執行手続きに従い株主の持分を譲渡する場合は、会社及び全株主にも通知しなければならず、その他の株主が同等の条件において優先買取権を有します。

2017年9月1日に正式に施行された「『中華人民共和国会社法』の適用における若干の問題に関する最高人民法院の規定(四)」(以下、“会社法司法解釈(四)”と省略)には株主優先買取権についてもっとより詳細な規定が定められました。

一、 通知義務

会社法の規定に従い、株主は株主以外の者に持分を譲渡する場合に、その持分譲渡事項を書面によりその他の株主に通知しなければならず、会社法司法解釈(四)第十八条にはこの通知義務が詳細化されました。まず、譲渡株主は書面又はその他の受領確認できる合理的な方式によりその他の株主に通知し、株主以外の者への持分譲渡に同意するか否かを求めなければならない;その他の株主の半数以上が譲渡に同意した場合に、その他の株主が優先買取権を行使するかどうかを決定するために、譲渡株主はまた持分譲渡に係る同等の条件を通知しなければならない。

上記の規定によると、株主以外の者に持分を譲渡する場合は、二回の通知が必要です、即ち、第一回その他の株主に譲渡に同意するか否かを尋ねて、第二回その他の株主に同等の条件において買い取るか否かを尋ねます。但し、ほとんどの実際の操作で両者を一括して通知を行って、即ち、持分譲渡者は譲渡意向と同等の条件を一括して会社の他の株主に通知します。一回限りの通知が通知義務の未完成とされると認定されるかどうかは、司法実践で具体的な状況に応じて具体的に分析されます。

二、 同等の条件の認定

その他の株主が優先買取権を行使する基礎は“同等の条件で行う”というのですから、“同等の条件”をどのように定義するかが重要です。会社法司法解釈(四)第十八条の規定に従い、人民法院は会社法第七十一条第三項及び本規定にいう“同等の条件”に適合するか否かを判断する際に、譲渡持分の数量、価格、支払方式及び期限等の要素を考慮しなければならない。

以上の規定に譲渡持分の数量、価格、支払方式及び期限の四つの要素のみを挙げていましたが、列挙後に“等の要素”が付けられましたから、これは、“同等の条件”については第十八条に記載された四つの要素に限らず、持分譲渡の当事者が重視し、持分取引の成立に実質的な影響を与えた各種要素によって総合的考慮や判断を行うべきことを意味します。

三、 行使期間

株主優先買取権の行使期間は状況によって三種類に分けられています。

(一) 自主的譲渡


有限責任会社の株主は、譲渡持分の優先買取を主張する場合には、通知受領後、会社定款に定める行使期間内に買取請求を提出しなければなりません。会社定款に行使期間が規定されていない場合又は規定が明確でない場合には、通知により確定された期間を基準とします。通知により確定された期間が三十日より短い場合又は行使期間が明確でない場合には、行使期間は三十日とします。(「会社法司法解釈(四)」第十九条)

(二)
強制執行


人民法院が法律に定める強制執行手続きに従い株主の持分を譲渡する場合に、優先買取権の行使期間は法院の通知受領日から二十日です。(「会社法」第七十二条)

(三)
競売による国有持分譲渡


法に従い設立した財産権取引場所で有限責任会社の国有持分を譲渡する場合において、取引場所の規則に定めた申告期間を基準とします。

四、 損害救済

「会社法司法解釈(四)」第二十一条には、譲渡株主が持分譲渡事項についてその他の株主の意見を求めておらず、又は詐欺、悪意通謀等の手段にてその他の株主の優先買取権を損なう場合に、その他の株主は実際に譲渡した同等の条件で当該持分を優先的に買取ることを要求する権限を有して、人民法院がこれを支持しなければなりませんと明確に定めます。

上記の規定により、株主優先買取権が侵害された場合に、その他の株主は強制締約し且つ同等の条件で持分を優先的に買取る権利を有します。当該規定には第三者が善意であるか悪意であるかを区分せず、持分変更登記が処理されたとしても、第三者は善意な持分取得の理由で株主優先買取権に対抗することもできません。

その他の株主が救済権利としての株主優先買取権を成功して行使した場合に、その法的効力には既に発生した持分変動の取り消し(持分譲渡契約の取り消しではない)、且つ同等の条件で譲渡株主と強制締約することが含まれています。

但し、前述の救済権利の行使期間も制限されます、即ち、その他の株主が優先買取権の行使に係る同等の条件を知り又は知るべきであった日から三十日内に主張し、又は持分の変更登記の日から一年内に主張しなければなりません、前述の期限を超える場合は、法院が支持しません。但し、その他の株主が自身の原因によらず優先買取権を行使できない場合は、譲渡株主へ損害賠償を請求することができます。

株主以外の持分譲受人は、法院がその他の株主の優先買取権の行使を支持したことにより譲渡株主との契約目的を実現することができなくなった場合に、相応の契約責任の負担を譲渡株主に法に従い請求することができます。

五、 優先買取権が適用されない場合

(一)
持分相続


「会社法」第七十五条には、自然人株主が死亡した場合、その適法な相続人は株主の資格を相続することができます;但し、会社定款に別途の規定がある場合を除きます。当該規定によって、会社定款に特別な約定がない場合には、会社で相続のために持分譲渡が発生する際に、その他の株主は優先買取権を主張する権利がありません。「会社法司法解釈(四)」第十六条にはこれについて更に確認しました。


(二)
株主間の内部譲渡


株主間の内部持分譲渡は新株主の加入に係らず、有限責任会社の人合性を破壊することができません。従って、株主内部に持分譲渡が発生する場合に、「会社法」では、原則として、その他の株主が優先買取権を主張することが認められていらず、会社定款に別途規定がある場合を除きます。


(三)
株式会社


株式会社は典型的な資合会社で、株式譲渡自由の原則に従います。「会社法」には、株式会社の株式譲渡に対し株主優先買取権を設定していないから、株主優先買取権が有限責任会社にのみ適用され、株式会社に適用されません。

六、 会社定款における優先買取権の適用除外

会社定款が会社の自治法規です。「会社法」の規定により、会社定款には株主優先買取権について特別に定めるができます。株主優先買取権を適用したくない場合に、全株主の同意を経て定款に会社の株主が株主以外の者に持分を譲渡する場合においてその他の株主が優先買取権を享有せず、株主が誰にでも持分を譲渡できることを定めることができます。即ち、「会社法」第七十一条の適用が除外されます。


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